特にエンジニアリングに必須ではない図書40冊 後編

はじめに

前回の続きで、リストアップしていた会社で働いていくなかで役に立ちそうな残りの20冊を紹介する。 satoshihirose.hateblo.jp

特にエンジニアリングに必須ではない図書20冊 仕事編

Snowflake、ServiceNowを率いてきたフランク・スルートマンのとても経営哲学本。プロ経営者としてIT業界の一線を走り続けてきた著者の哲学が経験を元に明快に説明されている。テック業界に居る人なら読んで損はない名著。

著名VC、マーク・アンドリーセン・ホロウィッツのベン・ホロウィッツが過去の経験を赤裸々に語っていてその体験の困難さ(ハードさ)に恐れ入るための本。経営者って大変だなという気持ちになる本。

これは昔に書評を書いていた。ベン・ホロウィッツの「HARD THINGS」を読んだ - satoshihirose.log

誰しも転職や異動などキャリアアップしていく際に責任範囲が変わったりして苦労することはあると思うが、そのようなタイミングでどういう心構えでどのような振る舞いをすると良いかが述べられていてとてもためになる。

SaaS製品を伸ばしていく際に必要なメトリックに関する知識や分析事例が整理されていて入門書として最適。

原題はCulture Map。グローバル企業に勤めていたりすると多様な背景を持つ人たちと一緒に働かなきゃいけなくて苦労することもある。読むと自分の認知の仕方が相対的に見られるようになる。

邦題は微妙だが、原題はRadical Candor(徹底的な率直さ)で、このCandorの大事さはBill Campbellの伝記などでも触れられていたりして頻出のキーワードだと思う。改めて自分のコミュニケーションの方法を見直したくなる本。

ストーリー仕立てでうまくいくチームとはどういうものか、そういうチーム作りのプロセスについて説明している本。現実は必ずしもうまくいくばかりではないと思うが、ストーリー仕立てだからこそ感情移入してしみじみ読めてしまう良い本。

マッキンゼーの採用の仕組みについて語っている本。リーダーシップというのは全員に求めて良いものであるというのは自分はAmazonに勤めている時に実感したものだが、本書でもそれが説明されているパートがありそこが良かった。

会社勤めしていると自分の要求を通したい場面は多々あると思う。日本人はネゴシエーションが下手だと言われていたりするが、そういう場面で知っていると使えるかもしれないようなテクニックや考え方が説明されていて勉強になった。

すでにSaaSやっている会社での共通言語になっていると思うのでこのプロセスを採用するかにかかわらず読んでいて損はない。とても効率的だなとは思う一方、やり切るには大変。

自分は営業というロールにはあまり関わってこない人生だったが、どのような営みが行われているかについて学ぶのに良い本だった。

顧客ロイヤリティを上げるには何が必要か、というところを改めて考えさせられる良い本。Effortless Experienceという考え方はSREのToilをなくす的な考え方でもあるなとも感じる。

GainsightのCEOが書いたカスタマーサクセスがこれ一冊で理解できる本。カスタマーサクセスという考え方がなぜ必要になったか普及したかなどSaaSの運営上その背景を含めて理解できる良い本。

SmartNewsで働いていたころから圧倒的にプロフェッショナルだなと思っていた西口さんが顧客起点の経営というテーマを語った本。あらためて顧客起点でビジネスを作っていくってところで襟が正される。

PMFってよく使われる言葉だけど具体的に何?ってのをいちから説明してくれる本。自分は読むまでCPF、PSF、SPFなどプロダクトの他のステータスについては知らなかったので、読んで良かった。

DHHがベースキャンプをどういう哲学で運営しているかが垣間見える本。こういう考え方のもと従業員が働ける会社があっても良いなと思わせてくれる。

Just for Funというタイトルが良い。リナックスがどういう風につくられてきたかの歴史が知れる本。

強い組織カルチャーがある会社ってときに割と言及される高級ホテル運営のリッツ・カールトン。確かにその顧客フォーカスの哲学は学ぶところがあるなと思った本。

東京にもある高級リゾートホテルグループのアマンの創業についての歴史ノンフィクション。仕事とは本当に関係ないけど、ひとは高級ホテルの何に高額を払うのだろうかというところを改めて考えさせられるし、アマン泊まってみたくなる。

最後に、妻に何かおすすめないかと聞いたら教えてくれた本。現代でも通じる読みやすい日本語がどういうものかについて説明されているとのこと。

さいごに

合計40冊紹介した。どれも良い本なので読んでみてください。