特にエンジニアリングに必須ではない図書40冊 前編

はじめに

ITエンジニア必読本10選、みたいな記事は定期的に生まれ、バズる。 みんな興味があり自分の体験や意見がそれぞれあるからかなと思う。現代ではIT技術職の仕事も多岐にわたるので全てのひとのお眼鏡に適うのは難しい。 先週はエンジニアリングの必須図書40冊という記事が盛り上がっていた。

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選書は個性が出るから面白い。また、その人と背景が似通っているほど刺さりやすい。 一方、日頃からアンテナを張っていないと、自分に合った良い本を知る機会はあまり無い。

ということで、自分と似た背景を持つ人(30代テック・スタートアップ業界関係者)向けにあまりエンジニアリングに関連しない書籍をおすすめする記事があっても良いなとふと思ったので、自分が過去に読んできた中で面白いと思った本を並べる。

特にエンジニアリングに必須ではない図書20冊

Sci-Fi

普段SF小説を読まない人に一冊おすすめするならこれ。全ての短編が素晴らしい。

仮説と検証を繰り返して問題を解決していく科学的な営みが物語にめちゃくちゃ上手く盛り込まれている。地味だから映像作品では描きにくい要素だと思うので、映像化されるだろうけれど書籍で読むのがおすすめ。

三体の作者による短編集。短編も良い。どれも良いけど、資本主義が進んだ結果その星の全ての資源がひとりの人間に所有された世界がでてくる話が印象に残っている。

全4冊読まないと一区切りしないのでめちゃ長いけど、SFの全てが詰まっている。訳も素晴らしい。

さまざまなテーマをSF作家がどう描いてきたのかってテーマごとに書籍が良い感じ紹介されているので、広くいろんなジャンルのSF小説を知りたい人におすすめ。

投資・金融・経済

日本もデフレから脱却したし、投資は身を守るために必要だ。経済や金融の話がわかればニュースも理解できて世の中の見え方も変わってくる。

どちらも版が重ねられ更新されている株式投資の入門書の定番。投機ではない株式投資がどういうものか、読むとある程度理解できる。

株式投資をするときに企業の価値ってのがどういう風に見積もられているのかって話がなんとなく分かる。

資本主義の限界はずっと叫ばれているが、そのような社会問題に対して経済学がどのようにアプローチして研究されているかが分かって面白い。

資本主義は倫理観点から批判されるが、正しい状況とはどんなものか、どうしたらもっと良くなるのかといかということを改めて考えるきっかけになる。

リーマン・ショックの発生が臨場感豊かに詳細に描かれていて金融ドラマとしてとても面白い。

生活

働きたくない人のための本。まあそういう状況を作り出すためにはもちろん労力が必要なんだけど、その実践が具体的で面白かった本。

新型コロナに罹患したし、そういえばウィルスについて何も知らんなと思って手に取った本。生命と物質の境界線やその奇妙な働きについてわかりやすく説明されていた。

デジタルデトックスしたくなるし、完全に断つのは無理にしてもアテンションエコノミーに自覚的になる本。

あまり日常生活で思いを馳せることのない「実在とは?」みたいな疑問を物理学がどうアプローチするかという話でとても好奇心をそそられる。2022年のノーベル賞をとったベル不等式の破れがなんとなく理解できた気になる本。

体に良い食事はどんなものか、これまでの研究で分かったことをまとめた書籍。歯切れの悪いところも科学的っぽい態度で良い。

死から少しでも逃れるにはどうしたら良いかの研究をまとめた本。寿命は所与のものっぽい考えだったけど、こういう研究があるんだなーって面白かった。

ビル・ゲイツが気候変動による災害に対してわれわれが何をできるかその考えをまとめた書籍。定量的に考えているので自己満足以上の結果を出すための活動はどんなものか説明していて勉強になった。

まとめ

本当は40選ということで40冊選んだんだけれど、紹介するの大変だったので半分に減らしました。誰か興味があれば後半もやります。

もし選書が気に入ったらコーヒーおごってください。Buy Me a Coffee

後編はこちら。 特にエンジニアリングに必須ではない図書40冊 後編 - satoshihirose.log