大学の先輩が死んでしまった話

大学の頃好きだった先輩(恋していたというわけではない)が亡くなったというニュースが入った。

みんなショックを受けている。 正直なところ僕は大学を卒業する前から会っていなかったし、おそらく5年以上顔を見ていない。 今、変な気持ちになっているのはこの微妙な距離のせいだ。

初めて彼女のライブを観てからもう10年弱経つらしい。 目を閉じればPark SqureやFlying Studioの狭い部屋で座って観ていたライブが蘇る。 きっと今、CDを流せばバンドの演奏に載った彼女の声が聴こえてくるだろう。 なのに、彼女は死んでしまっている。 もう彼女のライブを見ることは出来ない。 音楽の中に残っているその人ってのは酷く純粋で抽象的で、それは残された人にどうのように働くのだろうか。

こんなにもあっけなく人は死んでしまうものか。 いや、あっけなかったのは僕と彼女の関係そのものなんだろう。 何を言っても現実感は無いし、虚しさしかない。